
テレメトリー試験とは?
テレメトリー試験とは、動物の体内に小型送信機(トランスミッター)を外科的に埋め込み、無麻酔・無拘束の自然状態で血圧・心拍数・心電図・体温などの生理的パラメータをリアルタイムかつ連続的に計測する試験手法です。ICH S7Bのコアバッテリー試験 (in vivo) の心血管評価として標準的な評価手法として位置づけられています。
テレメトリー試験測定時の麻酔・拘束の影響は?
麻酔薬や拘束下での測定は、心拍数・血圧・自律神経系のバランスに大きな影響を与えることがあり、薬物本来の心血管作用を正確に評価するためには、無麻酔・無拘束での測定が求められます。テレメトリー試験は麻酔薬・拘束ストレスによる循環動態への影響がなく、自然状態に最も近い測定が可能です。また、血圧・心電図・体温を同一個体から同時に連続収録でき、対照物質または投与前値から投与後回復期まで長時間の経時変化を1試験で把握できます。クロスオーバーデザインにより少ない動物数で統計的な検出力を確保できる点も大きな利点です。
テレメトリー試験の構成・測定パラメーター・デザイン
テレメトリー試験の構成
生体適合性の高い素材で防水加工された送信機本体を手術により体内に埋め込み、術後2〜3週間の回復期間を経て測定を開始します。送信機本体には、圧力計測カテーテルで血圧を測るタイプ、心電図リードで心電図を記録するタイプ、両者を統合した複合型があります。複合型を用いると血圧・心電図・体温を1台で同時計測でき、比較的安定したデータを長期間計測することが可能です。
テレメトリー試験の測定パラメーター
テレメトリー試験では以下のパラメータを連続収録し、対照物質や投与前値と比較して薬物の影響を評価します。
QT間隔は心拍数と強い相関があるため(心拍数が上がるとQTは生理的に短縮)、薬物による真の心室再分極への影響を評価するには心拍数の影響を除去した補正QT(QTc)を算出する必要があります。イヌでは以下の補正法が使用されます。
当社では個体別補正法・Bazett法・van der Water法・Fridericia法等のすべてに対応しております。
<パラメーター>
・血圧
・左心室圧
・心拍数
・心電図 PR / QRS /QT / QTc(補正QT)
・体温
・呼吸数血液ガス(オプション)
・採血・PK(オプション)
テレメトリー試験デザイン
テレメトリー試験では、各個体が全処置(対照群・各用量)を受けるクロスオーバーデザインまたは用量を段階的に上げていく漸増法が用いられます。3処置以上の場合はウィリアムズラテン方格法を採用し、前投与の薬物のキャリーオーバーを統計的に制御します。処置間には十分なウォッシュアウト期間(通常7日以上)を設け、連続収録は投与前2時間〜投与後24時間を標準とします。
採血(PK)をテレメトリー試験に組み込む場合は、採血操作が循環パラメータに与える影響を考慮した上で試験デザインを決定します。
DSTCのイヌテレメトリー試験
DSTCでは長年にわたるテレメトリー試験の豊富な実績と確立された運営体制のもと、ご依頼から試験開始までをスムーズにご支援いたします。プロトコル策定・動物管理・データ解析まで一貫して対応し、質の高い試験を迅速にご提供いたします。
また、ICH S7B Q&A 4.1で推奨されるIn vivo Best Practiceにも対応しております。無麻酔・無拘束下での測定、十分なベースライン収録期間の確保、個体別QTc補正、陽性対照による試験感度の担保、ガイドラインに沿った高品質な試験実施体制を整えています。試験計画段階からご相談いただくことで、規制当局への申請を見据えた最適なデザインをご提案いたしますので、お気軽にお問合せ下さい。
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記事の監修
株式会社薬物安全性試験センター 第一研究部 テレメトリー試験チーム