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変異原性とは?
すべての生物には遺伝情報が入ったDNAを持っています.
このDNAの情報が化学物質などの影響で変化し,その変化が不可逆的かつ次世代に遺伝することが突然変異です.このような現象を変異原性といい,発がん性と高い相関性を持っています.
遺伝毒性とは?
DNAやそのDNAで構成されている染色体に悪い影響を与える性質のことで,変異原性より広い意味を持ちます.
遺伝毒性には次のようなタイプがあります:
・遺伝子突然変異(=変異原性): DNAの文字が書き換えられる.(たとえば、AがGに変わる).
・DNA損傷 : DNAの一部が切れる等の損傷が起こる.生物の持つ修復機構で正常な状態に戻る場合もしばしば.
・染色体異常 :染色体の一部が切れたり,くっついたり,数が変わったりする.
つまり,「遺伝毒性」はDNA全体や細胞の遺伝情報に害を与える広い意味で,その中の一つのタイプが「変異原性」になります.
変異原性を見つけるために
変異原性物質を見つけるために行われる最もポピュラーな試験が,Ames試験(細菌を用いる復帰突然変異試験,微生物を用いる変異原性試験) になります.
Ames試験と言われる所以は,試験法・試験菌株を開発したBruce N. Ames 博士 (カリフォルニア大学) に由来します.1970年代に基本的な試験法が確立され,変異原性,発がん性物質の探索法に画期的な変化をもたらしました.
安衛法,化審法等でも要求されており,化学物質の初期開発段階のスクリーニングにも使われているため,安全性試験の中でも最も多く使われている試験の一つと言えます,
DSTCにおいても年間約400本の試験を行っており,自慢の受託メニューです.
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