各種イオンチャネルに対する試験
各種イオンチャネルに対する電気生理学的評価
マニュアルパッチクランプ法による評価
パッチクランプ法のゴールドスタンダードであるマニュアルパッチクランプ法を用いて、イオンチャネルに対する薬剤の影響を評価します。創薬初期のスクリーニングから、信頼性基準、さらにはGLP適用試験等、開発段階に合わせてご要望の実施基準に対応します。
技術力には大きな自信があります
DSTCは国内で初めてhERGチャネル電流の評価を行った受託機関です。卓越したパッチクランプ技能と豊富な経験を有するスタッフによる精度の高いパッチクランプ試験を実施し、高品質なデータをお届けします。長年にわたり蓄積したノウハウを活かし、評価化合物の溶解性、安定性または吸着性等の特性に合わせた試験デザインをご提案し、最適な測定条件下でのパッチクランプ試験を実施します。
マニュアルでありながらスピーディな納期を実現
スクリーニング試験では素早い結果速報が求められます。熟練したスタッフ陣によるスピーディな試験進行で、比較的大きな試験ボリュームでも短期間で結果(速報値)をご提出します。
スクリーニングサービス (Patch Revo) の標準納期はこちら
イオンチャネル評価に関しては日本随一の実績数を自負しております
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心筋イオンチャネル評価
ヒト心筋イオンチャネル7種すべての評価が可能です (GLP/信頼性基準/非GLP)
ICH S7B Q&A In Vitro Best Practice (CiPAプロトコル) 完全準拠の評価も順次対応しております 詳細はこちら
DSTCでは、心筋活動電位形成に関与する7種のヒト心筋イオンチャネルすべてにおいて、マニュアルパッチクランプ法を用いた化合物評価が可能です。hERGチャネルに留まらないマルチチャネル評価は、より確かな催不整脈リスク予測を期待できることから、心臓安全性評価試験として有用です。新たなin vitro試験法として国際的に検証が進められているCiPA推奨プロトコルについても、評価対象イオンチャネルの試験整備を進めています。
その他、イオンチャネル創薬におけるターゲットスクリーニングやカウンターアッセイにもご活用いただけます。
【試験方法】各ヒト心筋イオンチャネル遺伝子を導入した発現細胞(DSTC保有HEK293細胞またはCHO細胞)を用いて、膜電位固定法(voltage-clamp)で電流測定します。被験物質の単回または累積適用を行い、イオンチャネル電流に対する影響(抑制)を評価し、各被験物質濃度における抑制率からIC50値を算出します。
心室筋細胞の活動電位
イオンチャネル | 電流 | 活動電位への関与 | 背景データ |
---|---|---|---|
hERG | IKr | 第3相 (再分極) | 標準化合物による抑制率/IC50値/Hill係数 (資料請求フォーム入力後にメール送信されます) |
NaV1.5 | INa,P (Peak電流) | 第0相 (立ち上がり) | |
INa,L (Late電流, veratridineにより誘導) |
第2相 (プラトー相) | (準備中) | |
CaV1.2 | ICa | 第2相 (プラトー相の維持) | 標準化合物による抑制率/IC50値/Hill係数 (資料請求フォーム入力後にメール送信されます) |
KVLQT1/minK | IKs | 第3相 (再分極) | (準備中) |
KV4.3 | Ito | 第1相 (再分極) | (準備中) |
Kir2.1 | IK1 | 第4相 (静止膜電位の維持) | (準備中) |
KV1.5 | IKur | ー | (準備中) |
【実施基準】非GLP試験およびGLP試験に対応
【結果報告までの期間はこちら】
hERGチャネルトラフィッキング評価
薬剤によるQT延長の要因として、hERGチャネルへの直接阻害作用のほか、hERGチャネルの細胞膜への輸送(トラフィッキング)阻害作用が知られています。チャネルタンパク質の代謝および生合成に与える影響を評価するため、hERGチャネル発現細胞に薬剤を長期間曝露(数時間から1日程度)して評価します。電気生理学的あるいは生化学的手法を用いて実施します。
hERGチャネルの機能評価 (電気生理学的評価)
・曝露後のhERGチャネル発現細胞を用いて、マニュアルパッチクランプ法でhERG電流を測定します。
・陽性対照としてpentamidineを使用します。
【背景データを含むリーフレットはこちら】
hERGチャネルの定量評価 (生化学的評価)
・曝露後のhERGチャネル発現細胞を用いて、ウエスタンブロッティング法で糖鎖修飾を受けた成熟型hERGチャネルタンパク質(155 kDr)を検出します。
・陽性対照としてpentamidineを使用します。
【発表資料はこちら】
CiPA
(Comprehensive in vitro Proarrythmia Assay)
CiPA Initiativeは、評価エンドポイントをQT延長作用から催不整脈作用へと変更することを提案し、催不整脈性そのものに評価基軸を置いた試験法確立とその標準化を目指しています。ICH E14およびS7Bは,QT延長作用やそれと相関性が高いとされたhERG阻害作用の評価に基づき,催不整脈リスク,すなわちTdP発生リスクのない薬剤開発のための臨床および非臨床試験における現行ガイドラインです.しかし、hERG阻害能陽性薬剤が必ずしもQTを延長するとは限らず、さらにはQTを延長する薬剤が必ずしもTdPを誘発するとも限りません。このようにQT延長はTdP誘発のバイオマーカーとしては十分でなく、医薬品開発における新たな理論的枠組みの必要性が長く議論されています。そこでCiPA Initiativeは、非臨床のin vitro試験においては、マルチチャネル評価とin silico解析を組み合わせて催不整脈リスク予測を行い、その結果についてiPS心筋細胞を用いた評価で検証することを提唱しています。
DSTCではこの流れにいち早く対応し、CiPA推奨プロトコルを用いたイオンチャネル評価の試験受託を段階的に進めております。進捗状況に関してはお気軽にお問い合わせください。
CiPA推奨プロトコル準拠イオンチャネル試験
イオンチャネル | 概要 | 陽性対照 |
---|---|---|
hERG | 室温,37°C, ICH S7B Q&A BestPractice準拠 |
Moxifloxacin, dofetilide, ondansetron, E-4031 |
hERG | 室温,37°C,Dynamic protocol | Astemizole, verapamil, E-4031 |
CaV1.2 | 室温,Peak電流 | Verapamil, nifedipine |
NaV1.5 | 室温,Late電流 (ATX-IIにより誘導) | Ranolazine, tetrodotoxin (TTX) |
NaV1.5 | 室温,Peak電流 | Flecaine, tetrodotoxin (TTX) |